ホテルの部屋に戻ったもりじは、生花店の店長・篠原(霧島れいか)の「あげる人をイメージして作るのが、心に響く花束」という言葉を思い返す。篠原のことを思い電話をしたくなっていると、浅田朝子(鈴木杏)から電話が入る。朝子は、芸能界入りのスカウトを受けるどうかでまだ迷っているのだ。朝子はもりじに、響京子(井川遥)から、人生に対する考えが甘いと叱られたことを話すと、もりじはあっけらかんと「息してりゃいいんだよ」と言う。自分は、人生などと身構えずに、迷ったら面白そうなほうに行くようにしているというもりじの言葉に、朝子は少し勇気を得る。
その頃、真島洋平=マジマックス(渡部篤郎)は、布袋寅泰(布袋寅泰)のスタイリング準備に忙しいことを理由に、別の仕事をアシスタントのリバー(内田滋)に任せっきりにしていた。それでも、京子の「楽しめばいいんじゃないか」というアドバイスのおかげで、布袋のスタイリングの構想は固まりつつあった。
一方の京子は、相変わらず性病や望まない妊娠のために病院を訪れる若い患者たちの診察に追われていた。それでも、ひとり一人を励ますようにアドバイスをしながら丁寧に診ていた。そんな京子を見たイケメン看護士たちは、感激のあまり涙を流す。
同じく密かにそんな京子を見ていた「南青山不動産」の伊集院 松(ミッキー・カーチス)、竹(斉木しげる)、梅(我修院達也)も、感極まっていた。
パリのもりじはといえば、パーティー開始ギリギリに台車に載せた花とともに登場する。大きな花器に盛られたのは一見すると緑色の花の普通のアレンジメントだが、花の上には何やら赤い液体が糸のようにかけられている。もりじが大好きなケチャップだ。もりじがそれを、日本に伝承する運命の赤い糸をイメージして作ったとコメントすると、会場のフランス人記者たちからは喝采があがる。
銀行での仕事を終えた朝子は、同僚たちを食事に誘うが、都合が悪いと断られてしまう。それで朝子はひとりで退社するも、忘れ物を思い出して銀行へと戻る。すると、そこで、同僚のふたりが自分を「人質」と呼び、悪口を言っているのを聞いてしまう。
同じ頃、「KING」では、新しく入居してきた藤城和江(石野真子)が、住人の細野春臣(平山広行)に挨拶をしていた。そこへ、布袋の仕事を無事成功させたマジマックスが帰ってくる。主婦だという和江はキムチ鍋を作っていて、みんなで食べようという。マジマックスが喜んでいると、京子、朝子、孫健一(板尾創路)、さらにもりじが帰ってきて、急遽、鍋パーティーとなる。
そんな中、朝子は芸能プロダクションと契約し、アイドルを目指すことにしたと報告する。一同は驚きながらも、アイドルになるための特訓だと言い、マイクを持ち出して朝子に歌を歌わせる。宴がピークを迎え、さらに大騒ぎになった頃、いきなり個室のドアが開き、男が飛び出してくる。田中正一(深沢敦)という男は、一同に向かい迷惑だと怒りをぶつけるが、マジマックスが誘うと宴の輪に加わる。藤城、細野、田中と初対面の住人を合わせ、総勢8名となった「KING」の住人を見て、もりじは「多いよ」とつぶやき……。
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