そんなアリスと対照的な生活をしているのが佐藤太郎(上地雄輔)、30歳。短期雇用などの劣悪な条件下で働く、いわゆるワーキングプア。幼い頃からの貧乏育ちで、お金に苦労した思い出しかない。それでも、太郎は高校生の時に出あった女性と結婚。一郎(清水優哉)、花子(北村燦來)、二郎(小林海人)という3人の子供に恵まれた。だが、妻は病に倒れてしまう。以来、太郎は相変わらず贅沢とお金に縁はないものの、3人の子供とそれなりに幸せに暮らしている。
自由奔放に生きるアリスは、常にパパラッチに狙われている。その日も、パパラッチの公文晃(宅間孝行)たちの囲みをかいくぐり、F1ドライバーとクラブでデート。そこに、F1ドライバーの女が乗り込んできた。面倒くさいのは嫌だとばかりに、ドライバーに別れを告げるアリス。しかし、女はアリスを許せず大喧嘩になってしまう。アリスは逃げるが、路上で女に追いつかれ、再びつかみ合いに。ちょうどその時、道路工事の作業をしていた太郎が、2人を止めに入る。だが、女の振ったバッグに顔面を直撃された太郎は、工事用の穴に落ちてしまった。アリスは、穴に落ちた太郎に手を差し伸べる。しかし、太郎の泥だらけの手に躊躇したアリスは、一緒に穴に落ちてしまう。そんな2人に、パパラッチたちのフラッシュが。これが、アリスと太郎の最初の出会い。
アリスの醜態は早速、週刊誌に掲載された。郡司にたしなめられるアリスだが、どこ吹く風。それより、今のアリスの関心事は新しい運転手探し。いつも郡司が決める運転手はすぐに辞めてしまうと、アリスは自ら選ぶと言い出した。
同じ頃、太郎は子供たちを送りがてら、仕事探しに行く。佐藤一家に声をかけたのは大衆食堂『だるま』の主人、安田啓一(山下真司)と娘の幸子(国仲涼子)。太郎と、その亡き妻とも友達だった幸子は、父の啓一とともに佐藤家を温かく見守っていた。幸子たちに励まされて、職探しに出かけた太郎だが、仕事にはありつけない。
出社したアリスは間近に迫ったコレクションへの作業を、河田陽子(キムラ緑子)、江原まなみ(中山恵)たち社員にテキパキと指示。陽子は、幸子に過去のデザインをまとめるよう要求する。実は、幸子はデザイナーの卵。派遣社員として『ラブ・アリス』で働いていたのだ。そんな、幸子をスタッフの津田智彦(是近敦之)が呼ぶ。
その夜も、『だるま』には太郎を始め、常連の面々が募る。津田もその中の1人。昼間、幸子を呼んだのはアリスの運転手募集広告を発見したから。アリスが、何者か知らない太郎は、仲間たちの無理だと言う声を振り切って、面接を受けに行く事に。
郡司と陽子の面接を受けた太郎だが、転職を繰り返しているため、悪印象を与えてしまう。もちろん、郡司たちの採点は×。太郎自身もあきらめていたのだが、約束どおり自身で応募者たちの履歴書に目を通したアリスは…。
『だるま』では、太郎が仲間たちの祝福を受けていた。なんと運転手への就職が叶ったのだ。太郎は、次は幸子の番だと告げる。幸子の派遣期間は切れようとしていて『ラブ・アリス』に残るには、正社員への昇格しか残されていなかったのだ。幸子が描いたデザインを見た太郎は、なんだか分からないけど良いと思うと励ました。
運転手の制服を着た太郎は、子供たちに見送られて緊張の初出社。郡司に迎えられた太郎は、その日、初めてアリスに会っ…たはずだが、どこか見覚えがある。早速、高額で大量の買い物につき合わされた太郎がアリスと店から出ると強引なパパラッチ、公文のカメラが至近距離に狙ってきた。アリスの腕を取ってカメラに顔を向けようとする公文を止めた太郎は倒されてしまう。そんな太郎に手を伸ばしたアリス。その時、太郎は工事現場での出会いを思い出す。太郎は、その話をアリスにするが、答えはなかった。
会社に戻ったアリスは、太郎が履歴書に書いた特技“卵料理”のベストワンは何かと尋ねてきた。当然のように“卵かけご飯”と答える太郎は、自宅で飼っている朝子というニワトリの産みたて卵が最高だと続ける。
次の朝、太郎の携帯がアリスの電話を着信。すぐに、迎えに来いと命令するアリス。迎えに行った太郎に、アリスが告げた目的地は佐藤家。アリスは、太郎や子供たちが見つめる中、美味しそうに“卵かけご飯”をたいらげる。
アリスは、たいそう“卵かけご飯”が気に入った様子。郡司に命令してニワトリを集めるが、どれも太郎の家で食べた朝子の卵にはかなわない。アリスは、好きな値段で引き取ると切り出すが、太郎は朝子も家族の一員と断る。
そんな時、派遣契約が切れた幸子は、願いもむなしく『ラブ・アリス』の社員昇格にはならなかった。太郎は、アリスに頼もうとする。だが、コレクションに没頭するアリスに、その声は届かない。
『ラブ・アリス』のコレクションが開催された。舞台裏は、太郎まで借り出されるほどの忙しさ。会場には、マスコミに注目される人物が現れる。後藤田ファンド代表の後藤田司(柏原崇)だ。海外で大成功を収めた後藤田が、なぜ日本に戻り、しかも、この会場へ…。さて、コレクションも大詰め。舞台にはアリスが現れた。太郎は、アリスのファッションを見て驚く。それは、解雇された幸子が描いていたもの。太郎は、舞台を颯爽と歩くアリスに詰め寄って幸子のデザインを使ったのなら、せめて“ありがとう”と言ってくれと迫る。しかし、アリスには太郎の思いが通じない。
『ラブ・アリス』のコレクションが開催された。舞台裏は、太郎まで借り出されるほどの忙しさ。会場には、マスコミに注目される人物が現れる。後藤田ファンド代表の後藤田司(柏原崇)だ。海外で大成功を収めた後藤田が、なぜ日本に戻り、しかも、この会場へ…。さて、コレクションも大詰め。舞台にはアリスが現れた。太郎は、アリスのファッションを見て驚く。それは、解雇された幸子が描いていたもの。太郎は、舞台を颯爽と歩くアリスに詰め寄って幸子のデザインを使ったのなら、せめて“ありがとう”と言ってくれと迫る。しかし、アリスには太郎の思いが通じない。
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