一方、銀行で働くOLの浅田朝子(鈴木杏)は、日曜日の午後を女友だちふたりとカフェで過ごしていた。年頃の彼女たちの話題の中心は、結婚。職場にいい人がいないなどとぼやきながらも、どこか楽しそうにおしゃべりは続く。そして、夕方になった頃、友人たちが席を立ち朝子はひとりになる。すると、隣の席に伊集院 松が座る。初対面のはずなのに伊集院 松は朝子の名前を呼び、ルームシェアをしないかと持ちかける。
同じ頃、婦人科医の響京子(井川遥)は「南青山不動産」を訪れ、応対した伊集院 竹(斉木しげる)に「広くてゴージャスな部屋を」と高飛車に要求する。すると、伊集院 竹は、自分が見込んだ人だけに紹介するという物件を見せる。それは、9つの部屋がある「KING」という高級マンションで、そのうち最大の部屋は30畳の広さがある。青山の一等地で広い部屋に住めるのはいいが、キッチン、バスルームなどを他人とシェアしなければならないことに京子は不満をもらす。すると、伊集院 竹は、一番広くて眺めのいい30畳の部屋をすすめ、家賃はいくらでもいいと言う。驚く京子に伊集院 竹は、「自分が選んだ人に住んでもらう物件だから」と、もったいぶったように言う。京子が人選の基準を尋ねると、伊集院 竹は、「将来、その道のKINGになれそうかどうかだ」と答える。
そんなわけで、もりじ、朝子、京子は「KING」に引っ越してくる。そして、共有スペースで顔を合わすが、伊集院から「KINGになれる才能がある人物」とお墨付きをもらったわりには、お互い冴えない顔ぶれに見える。そんなところへ、ある部屋のドアが開きひとりの男が現れる。カリスマスタイリストの“マジマックス”こと、真島洋平(渡部篤郎)だ。最近、大人気のマジマックスが同居人だと知って3人は興奮する。
後日、朝子は女ともだちにマジマックスと同居していることを報告。就業後、朝子は興味津々のふたりに促され「南青山不動産」を訪れる。朝子は伊集院 松に案内され、間違いなくこの場で「KING」の入居契約をしたのだが、応対した伊集院 竹はそんな物件は知らないし、従業員は自分だけだと言い張る。
数日後の平日の昼間――。ニュースは、高級ブランド店・プラハで起きた立てこもり事件について報じていた。それぞれの仕事場でテレビを見ていた京子とマジマックスは、人質になっているのが朝子であることに衝撃を受ける。
プラハ店内にいる朝子は、立てこもり犯に銃を突きつけられ、恐怖に震えていた。ビルの外で機動隊とともに待機する警察が犯人と交渉を続けたり、駆けつけた犯人の母親が拡声器で呼びかけるが、事件は進展しない。そんなとき、人垣を掻き分けてひとりの男(板尾創路)が母親の側にやってくる。犯人の従兄弟だという男は、母親から拡声器を取ると中の犯人に向け、「贈る言葉」を歌いはじめる。突然の出来事に周囲は驚くが、男に促されるようにやがて大合唱が起こる。その歌声は、建物の中にいる犯人の心を動かし、やがて、犯人は朝子を解放し外に出てくる。それを見た男は犯人に声をかけるが、男を見た母親は従兄弟ではないと言う。男は人違いだったと謝ると、タクシーに乗り込み去っていく。
正体不明の男の活躍で無事解放された朝子は、マスコミのインタビューに答えていた。
テレビでそのニュースを見ていた伊集院 松、竹、そして梅(我修院達也)は、「朝子が動き出した」などと盛り上がり……。
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