二人を追う神取(池畑慎之介)は「佐々木の行動に不審な点を見つけたら迷わず撃て」と柚川(中山恵)に指示する。戸惑う彼女に神取は「犯罪者の肩を持つヤツなんか……人間のクズだ」と言い放つ。その頃、ルリの実家には心ない野次馬たちが押し寄せ罵声を浴びせていた。咲子(石野真子)と誠(升毅)はルリの無事を信じてただ待つしかなかった。
疲れ果てたルリがふと目を覚ますと、そこには健一郎の置き手紙があった。「ルリちゃんには優しい親がいる。ルリちゃんの帰りを待っている。あんなにいい両親を悲しませたら駄目だよ」。健一郎は、そう残して自分だけ自首しようとしていた。だが、その途中、襲われている女子高生を助けようとして、逆上した男に背後からナイフで刺されてしまう。
ルリが駆けつけると、そこには力なく横たわる健一郎が。「許せない奴が、多すぎる」。ルリを追って来た佐々木が叫ぶ。「人を憎んじゃいけない!」。佐々木の声を振り切るように男を打撃するルリ。と、そこに神取が拳銃を構えて現れる。
「待ってたぞ……この時を。オレはおまえを許さない。なせだか分かるか。おまえがこれまでやって来たことが、法の下で苦しんできたオレたちを冒涜してるからだ。オレたちは特別な感情の中に生きている。それをおまえは正義面して土足で入り込んできやがった。許さねえぞこの悪魔が」。
「正義は人の心の中にあるひとつの感情にすぎない……心はいかなるものにも支配されてはいけない……支配された心の中に正義はない……悪の感情で支配された心を自由に解放するためにこの拳がある……そして、本当の正義はその先にある……憎しみで支配されたあなたの心を、私は打ち抜く……だしゃぁぁぁ!」。
ーー数年後。相変わらず凶悪な事件は後を絶たない。人々は日々何を思い、この社会はどこへ向かおうとしているのか。礼奈、咲子、誠、佐々木、そして神取……それぞれのヒトのそれぞれの思いを背負い、雑踏の中を健一郎と共に歩いていくルリ。その顔に天使のような微笑みを浮かべながら……。
第壱撃 2008年7月25日 「拳よ、おこれ」 10.0%
第弐撃 2008年8月1日 「震えの代償」 7.4%
第参撃 2008年8月8日 「目覚めれば、月」 5.3%
第四撃 2008年8月15日 「汚れた裸婦画… 史上最悪の敵!!」 5.5%
第五撃 2008年8月22日 「時に、正義は」 7.2%
第六撃 2008年8月29日 「唯、その真実と死」
最終撃 2008年9月5日 「ヒトと愛しか無い世界」
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