2008年08月29日

その男、副署長 File.10(最終回)あらすじ

File.10 「ネットカフェの防犯カメラに映った女は、なぜ、香水の残り香とホットケーキを個室の中に残して消えたのか?」

 先日、副署長(船越英一郎)がいかにも介入したがりそうな、不可解極まりない事件が起こってしまいました。ネットカフェの個室で、中堅アパレルメーカー「ヴェルベット」の代表取締役社長・坪井隼(西村匡生)が殺されたのです。何が不可解かと申し上げますと、まず人目に付く場所での犯行であったこと、現場には香水の残り香とホットケーキが残っていたことであります。いくぶん私は香水に疎くてよく分からないのでありますが、署長(萬田久子)によれば女性用の香水だったとか。防犯カメラに凶器を持った女の姿が映っていたこともあり、彼女がホシという線で捜査は進められました。

こともあろうに事件発生時、店内で仮眠を取っていた平松刑事(宇梶剛士)と上田刑事(鈴木一真)は、難病の少女のために募金活動をしている藤澤文子(冨士眞奈美)さんを目撃したとのこと。この藤澤さん、副署長のお知り合いだそうで…。それを知った副署長がトイレに出掛ける私の目を盗んで、こそこそと動き出さないはずがない! 案の定、副署長は藤澤さんの家へと出掛けられたのです。

 藤澤さんは居間の天井に首吊り用の紐をぶら下げているなど、少々変わった点もございますが、気のいいオバチャン。事件絡みの不審点など見受けられなかったようですが、後日大変なことが起こりました。なんと、藤澤さんの募金活動仲間・木村雪乃(豊川栄順)が署に連行されたのです! なんでも彼女は先月末、執行猶予中の身であることを隠していたため、「ヴェルベット」の小売店舗で清掃係をクビになったとか。しかも、藤澤さんは木村雪乃を連れて会社へ乗り込み、坪井社長に「死んじゃえばいいのよ!」と食ってかかったというのです。しかも、2人とも事件発生時、現場となったネットカフェの別室で募金活動仲間たちと一緒に映画鑑賞をしていたというではありませんか。署長が木村雪乃を疑ってかかるのも無理はありません。

それだけではありません。署長は“募金活動仲間たちが口裏合わせをしているのでは…?”と勘ぐっておられました。実は、仲間の森田和彦(清郷流号)と中道陽一(若林久弥)にも前科があったからでございます。さすがの人情派・副署長もこの事実を前にしては、断固として彼らを信じるとは言い切れないか、と…。

 そんな矢先、「ヴェルベット」の専務・吉野高志(石田登星)さんの通報で、被害者の自宅から1億円が盗まれたことが判明しました。しかも、この1億円盗難事件と坪井社長殺人事件と蜜に関係していたとは…! 少々涼しくはなったものの、いまだ冬服には早いこの季節。今回も副署長は暑苦しい格好で全力疾走しそうな気配であります…。

 そのころ、ネットカフェの防犯カメラを洗い直した署長たちは、犯人と思しき女が店を出た直後に、木村雪乃らが店を後にした事実を掴まれました。つまり、木村雪乃が犯人ではないということになります。では一体、犯人は誰なのか…!? もちろん私には副署長のように何度も服務規程違反を犯すつもりは毛頭ございませんが、捜査の行方が気になってしまうのは事実。トイレを綺麗に使用するたび、密かにあれこれと推理をめぐらせておりましたが、糸口は見えて参りません…。

一方、副署長は再び藤澤さん宅を訪れておいででした。そこで、副署長は藤澤さんと前科をもつ募金活動仲間たちが二度と同じ過ちを繰り返さないよう約束していたこと、首吊り用の紐は“その約束を破れば首を吊る”という固い意志表示だったことをお知りになられた。一瞬疑ってかかっていた副署長ですが、藤澤さんの善良な心を再認識する形になったようです。

 ところが捜査が進む中、坪井社長殺しの直後、ネットカフェの外で藤澤さんが犯人の女に話しかけていたことが判明しました! 署長は否認する藤澤さんを見て、犯人をかばっているとにらみましたが、副署長は事件解決につながる本質は別のところにあると考えておられました。そもそも犯人はなぜネットカフェを犯行現場に選んだのか!? 作為的に防犯カメラに自分の姿を残すためではないか、と。副署長の言葉を聞いた署長は、改めて防犯カメラの映像を見直されました。
そして、犯人の女がなぜかコートのボタンを止めるのに手間取っている姿を確認したのです! ひょっとすると、犯人は女ではなく、女装した男なのでは――!? さすがは署長、その鋭い眼力に私も脱帽でございます。

 一方、副署長は1億円盗難事件に関する新たな情報を入手しておられました。事件発生直前、坪井家には冷蔵庫が運ばれてきたそうですが、届け先が違ったため、すぐに返したというのです。しかも同じ日、藤澤さんの家にも新しい冷蔵庫が届いていた! ただの偶然かもしれませんが、そこで副署長はあることを思い出されたのです。二度目に藤澤さん宅を訪れたとき、残り物を冷蔵庫に入れようとする副署長を藤澤さんが必死で阻止したことを…!

「俺の我慢もここまでだっ!!」

 悪い予感は当たるものです…。副署長はやはり、全力疾走してしまわれました…。副署長が向かった先は藤澤さんの家でした。そう、坪井社長殺しと1億円盗難事件を結ぶカギは藤澤さんにあったのです。実は坪井社長を殺したのは、女装した吉野高志。動機は社長の座を奪われたことによる恨みでした。ところが犯行直後、吉野はネットカフェの外で藤澤さんに正体を見破られてしまったのです。

後日、藤澤さんは吉野をゆすって金を請求。吉野は坪井家にあった1億円を冷蔵庫に詰め、藤澤さん宅へ送り届けたのでした。藤澤さんはのうのうと生きている人間から巻き上げた金で、弱者である難病の少女や募金活動仲間たちが救われたら痛快だ――そう考えて恐喝を決意したそうです。副署長は道を外してしまった藤澤さんの善意に心を痛めながらも、決して彼女の本質が悪に染まったわけではないことを信じておられました。そして、あくまでここだけの話ですが、彼女に自首を勧められたのです。

 こうして、また今回も河原町署へ自首する犯罪者数がひとつ増えました。しかしその間、副署長のデスクに増えた未処理の決裁書類は、1枚どころの騒ぎではありません! しばらくはトイレだの所用の外出だのは控えて、早急に処理して頂かねばなりません。よろしいですね、副署長?

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File.2 2008年07月10日 「なぜ、人気漫画家は、殺された叔父の遺骨を
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File.3 2008年07月17日 「なぜ、殺された人気コラムニスト胃袋からは
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posted by Dhunting | Comment(0) | 2008年夏ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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