2008年07月21日

Tomorrow 第4話 あらすじ

第4話 2008年7月27日 「加害者と被害者」

 外科医・森山航平 (竹野内 豊) が8年前に医療ミスで死なせてしまったのは、看護師・田中愛子 (菅野美穂) の母親だった。脳外科医・遠藤紗綾 (緒川たまき) からそのことを告げられた航平は、愛子を意識するあまり、まともに顔を見ることができないでいた。

 そんな中、病院では新たな問題が起こる。紗綾が金にならない長期入院患者、とくに社会的入院患者を全員退院させると言い出したのだ。社会的入院患者とは、病院にいる必要はないのに個人的な事情で退院しない患者。
紗綾は西山室市副市長の 蓮見 (陣内孝則) に、「一人暮らしのお年寄りや自宅で介護できない場合、病院に預けっぱなしになっていることが多い。単価の安い患者は要りません。ちまちま点数を稼いでいたって30億の赤字は永遠に解消できません」ときっぱり答える。

 長期入院患者の一人である 河原のぶ子 (佐々木すみ江) は大腿骨頚部骨折で入院しており、経過は順調でいつ退院してもよい状態。1年前に夫を亡くし他に介護してくれる家族のいないのぶ子は、遠藤から退院するように告げられるが、「病院はどんどん金儲け主義になった。私は絶対に退院しない」と言う。

 同じくして、ナースステーションには、突然退院を告げられた患者の家族が集まり抗議が殺到していた。紗綾のやり方が気に入らない愛子は、のぶ子には介護してくれる人がいない。生活のメドが立つまで退院を待って欲しいと紗綾にいう。
しかし「病院は老人ホームではない」と紗綾。老人ホームに入れるお金がなかったら… と詰め寄る愛子に、「お金がないならどんなに不自由でも我慢するしかない」と紗綾は冷たく言った。

 その頃、心臓を押さえて苦しそうにしているのぶ子を航平が見かける。大丈夫だと航平の手を払うのぶ子だが、同室の患者が家族と共に退院していく姿を寂しげに見ていた。愛子同様に航平は、のぶ子の退院を見送った方がいいと紗綾にいう。
紗綾はうんざりしながら航平を強く見つめ、「人のことはともかく自分はどうするか決めたの?医療ミスを背負って医者としてやっていく覚悟があると言っていたけど、自分は死なせた患者の娘と同じ職場で働けるの?」と航平の迷いを見抜き冷たくいう。さらに、「迷っているなら辞めなさい」と言い放った。

 ナースステーションでは、社会的入院患者の退院の話題で持ちきりだ。看護師長の 原田和子 (エド・はるみ) は、長期入院は患者のためによくないと看護師たちをたしなめるが、遠藤先生は患者のためにやっているのではないと愛子は食って掛かる。看護師たちは複雑だ。

 ある日、長期入院患者の一人である マコト (沢木ルカ) が病院内でケガをする。軽い打撲と捻挫だったのだが、看護師・加藤圭太 (永田彬) はマコトがわざとケガをしたよう見えたと航平に知らせる。マコトを問い詰める圭太と愛子。「怪我をすれば、この病院にいられると思った。病院を追い出されたら行くところがない」とうなだれるマコトに、航平・愛子・圭太は言葉もない。

すると突然、のぶ子が退院すると言い出した。「患者を追い出すような病院、こっちから願い下げだ」と強がるのぶ子。航平と愛子はあっけにとられていた。

 紗綾が再建した脳外科専門病院。紗綾はある病室で足を止める。人工呼吸器とたくさんのチューブに囲まれた女性… それは紗綾の母親だった。悲しくも優しい表情で母を見つめる紗綾。これ以上延命しても回復する見込みはないという院長に、「奇跡が起こるがどうかは私が決めます」と紗綾は小さく答えた。

 愛子から航平の様子がおかしいと聞いた 七海 (黒川智花) は、航平を病室に呼び出す。七海の顔を直に見られない航平はそそくさと出て行こうとすると、部屋に飾られた家族写真に目が留まる。それは、愛子と七海、そして二人の母親・好美 (永島暎子) が楽しそうに笑う写真だった。七海は航平と話すうち、自分が弁護士になりたいのは「8年前に医療ミスで母を殺した医者を訴えたいからだ」という。
愛子は訴えるなら病院で働けなくなると脅され、自分を育てるために諦めたのだと七海は切なく言った。その会話を聞いてしまった愛子は、七海の考えを初めて知るが、「医者を訴えたって勝てない」と航平にぼやく。愛子に真実を告げるべきか葛藤する航平は複雑だ。しかし航平は、何も言わずにその場を立ち去りながら8年前の出来事を思い出していた。

 夕方、航平はのぶ子が悄然を歩いている姿を見かける。午前中に退院したはずだが、のぶ子は大きな荷物を抱えたまま町を歩き回っていたのだ。「久しぶりのシャバを楽しんでいる」というのぶ子だが、突然胸の痛みを訴えだす。

 容態がよくなるまで航平の自宅で休むことになったのぶ子。航平宅でのぶ子は、“ある写真” に釘付けになる。それは海から昇る朝日と灯台、手前には小さく漁船が写っている写真だ。3年前に撮った写真だという航平の言葉を遮るようにのぶ子は、「東京の医者だったのに、なぜ田舎にいるのか」と突然、航平に訊ねる。

航平は「ここに来たのは間違いだった。僕はここにいちゃいけない人間だ」という。その言葉を聞いて、「人間、どこで生きるかではなくて、どう生きるかだ」と力強くいうのぶ子。さらに、「何があったか知らないけど、一度はここで医者になってやり直そうと思えたんだろ。だったら、その時の気持ちを思い出してさ、逃げずに踏ん張んなさい」と航平を励ました。

 愛子は廊下にぽつんと座るマコトを見つけて声をかける。そこで愛子は、のぶ子が退院した本当の理由を知る。なんとのぶ子は、自分が退院する代わりに、マコトを病院に置いてもらえるように紗綾に頼んでいたのだった。それを聞いた航平はのぶ子の自宅を訪ねてみるが、アパートはすでに解約されていた。心配した航平は、のぶ子が灯台の写真を見ていたことを思い出し、灯台近くや海辺を必死に探す。すると激しい雨が降り出してきた。

 愛子は和子に、患者さんの心を考えて動いてくださる方だと思っていたと責める。すると和子は、「遠藤先生を悪と決めつけるのは簡単。でも、そう言い切れないところに今の医療の難しさがある。看護師ができることには残念ながら限界がある」と和子は諭す。しかし、「私は諦めない」と愛子は踵を返し歩いていく。

 航平がのぶ子を探しているところへ愛子がずぶ濡れのままやってくる。帰ったほうがいいという航平に愛子は、のぶ子も一人でいるから絶対に帰らないという。そして、「… 本当は後悔している。8年前、母親を殺した医者を訴えなかったこと。だからもう、二度と後悔したくない。諦めずにやれることはやりたい」と本音を告げる。航平は決意を固め、愛子とのぶ子探しを再開する。

 航平は自宅に戻り、病院事務の 仙道 (岸部一徳) と電話していた。そこで航平は、仙道からのぶ子の夫・大助は元漁師であったと聞く。何かに気付いた航平は玄関で濡れた身体を拭いていた愛子を連れ出した。

 雨が上がり、うっすらと霧が立ち込める漁港。そこで『大助丸』と書かれた小さな漁船を見つける。船の中を覗き込むと、のぶ子の荷物があった。辺りを見回す航平。すると堤防の先に人影が見える、のぶ子だ。海に向かって思いつめた表情で佇んでいるのぶ子。そこに航平と愛子が近づいていった… そのとき!のぶ子が海に向かって足を踏み出した。

 「河原さん!」航平が叫ぶと、振り返り驚くのぶ子。航平は慎重に近づき、のぶ子が航平の部屋で見ていたのは朝日ではなくて漁船だったのではとたずねる。その船で漁に行ったときのことを嬉しそうに語るのぶ子だったが、「一人で生きていたってしょうがない。死んだって誰も困らない、生きる理由もないのに何で生きてかなきゃいけないのか」と嘆く。

 航平は、「人間、どこで生きるかではなくてどう生きるかが大事。ここでやり直そうと思えた気持ちを思い出せ」と言ったのぶ子の言葉を思い出していた。

 「あの言葉は僕にとって大きな意味があったんです。たぶん人は知らない間に支えあって生きている。生きることが辛いと思っているときに、僕を励まそうとしてくれた河原さんに僕は絶対に生きていて欲しい」と航平はのぶ子にいう。
しかし「一人になるのが怖い」と泣き崩れるのぶ子。航平は「寂しくなったら僕のこところに来てください。僕も頑張りますから、河原さんも頑張って生きてください。逃げずに踏ん張れって教えてくれたのは河原さんじゃないですか」とのぶ子の手をそっと握り締めた。涙が止まらないのぶ子。そんな二人を愛子はポロポロ涙をこぼしながらも優しく見守っていた。

 数日後、のぶ子の住む家が決まる。皆に内緒で看護師長の和子が探してきたのだ。商店街の面々が家具を寄付し、航平からはのぶ子が航平宅で見ていた朝日と漁船の写真がプレゼントされた。そっけない言葉とは裏腹に、のぶ子は嬉しそうだ。泣き笑いながらのぶ子は航平と愛子に何度もお礼を言った。

 何かを決意した様子の航平は愛子を屋上に呼び出す。自分がもう一度医者になろうと思えたのは愛子のおかげだという航平。愛子はとても嬉しそうな笑顔だ。「いつでも逃げずにまっすぐ患者さんと向き合う姿を見て、俺も逃げたくないと思った」という航平は愛子に真実を語りだす。「君のお母さんを医療ミスで死なせたのは、俺なんだ」航平の思いもよらない言葉に呆然とする愛子。

 そこへ、看護士の 希美 (有村実樹) が駆け込んでくる。のぶ子が倒れたというのだ。処置室に駆け込む航平と愛子。ベッド上ののぶ子を必死に蘇生処置する紗綾がゆっくり手を止める。「まだだ…」紗綾に代わり航平が心臓マッサージを試みるが… のぶ子は微笑むような表情のまま動くことはなかった。

 のぶ子の遺体の前で泣き崩れる愛子。
よろよろと処置室を出た航平は、そのままベンチに崩れ落ち拳を何度も打ち付け慟哭…。



第1話 2008年7月06日 「医療は人か金か!?」  16.8% 15分拡大

第2話 2008年7月13日 「命を金で買うとき」   13.9%

第3話 2008年7月20日 「暴かれる医療ミス」 13.5%

第4話 2008年7月27日 「加害者と被害者」   10.8%

第5話 2008年8月2日 「涙の告白〜笑顔」  10.3%

第6話 2008年8月10日 「訴えられた病院」   10.5%

第7話 2008年8月17日 「見捨てられた患者」12.9%

第8話 2008年8月24日 「看護師長、倒れる」

第9話 2008年8月31日「妻の死と病院閉鎖」10.4%

第10話(最終話) 2008年9月7日
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