2008年07月17日

その男、副署長 File.1 あらすじ

File.1 2008年07月3日 「なぜ、コンビニ立てこもり犯の手にしていた包丁には、
店内の誰も刺していないのに血痕が付着していたのか?」

我が河原町署は署長(萬田久子)の指揮のもと、本日も検挙率アップ・犯罪撲滅を目標に奮闘しております。

 そんな中、誠に遺憾ながら、コンビニ立てこもり事件が発生しました。血の付いた包丁を持って押し入ったのは福来俊輔(風間俊介)という無職の男。我が署の刑事たちはこの男が店内のビールを飲み始めた隙をついて、身柄を確保。「金目当ての犯行」との自供も取りました。

 さて、ここからは副署長(船越英一郎)の出番であります。事件でご迷惑をかけた方々への挨拶廻りこそ、副署長がすべき業務。しかも、めずらしく「我慢、我慢」などと漏らすことなく、職務を遂行してらっしゃる! ふ、副署長…ご立派なお姿…。私は人知れず感涙にむせいだものです。

 ところが! 副署長は拘留中の福来俊輔の態度から心の闇を感じ取り、単純な強盗事件ではない、とにらんだご様子。しかも、事件のあったコンビニが契約するセキュリティー会社の警備課長で元警察官の福来信高(竜雷太)さんが立てこもり犯の父親だとお知りになった! その後、副署長は例のごとくこっそり平松刑事(宇梶剛士)から、福来俊輔が昨年9月に母親・福来聡子(鈴木法子)を交通事故で亡くした後、父親と寝たきりの祖父の3人暮らしだったが、今は家を出て一人暮らしをしていること、事件当日に楽器店で社員採用の面接を受けて「ほぼ採用決定」と口頭で伝えられていたことを聞き出したとか。

 念願の就職がほぼ決まったその日にコンビニ強盗…。副署長はますます今回の事件を不可解に感じられたご様子。まさかとは思いましたが…私が気付いた際には、時すでに遅うございました…。事件の翌日、副署長は「被害状況の再確認をする」とだけ言い残し、外へ飛び出してしまわれた。あまりにも一瞬の出来事で、私にはなすすべもありませんでした…。

 結局、副署長はその後、コンビニの店長・吉田(鈴木正幸)さんと共に人質となった女子店員・立花ゆかり(山口佳奈子)さんのもとを訪れ、彼女が福来俊輔と友人だったこと、包丁には最初から血が付着していたこと、福来俊輔が泣きながら「親父…親父…」と言っていたことをお知りになったそうです。さらには、『週刊タイムス』の記者・島英明(的場浩司)から「福来俊輔とその父親は今、どでかい渦の真ん中にいる」と、不穏な影をほのめかされたとか。どうやら今回の事件には副署長の想像を遥かに超えた何かが隠されているようです…。

「俺の我慢もここまでだっ!」

 またしても制服を脱いで、独自捜査に出掛けようとする副署長。しかし、私としては副署長に上まで上り詰めて頂き、警察の組織自体を改革して頂かなければならない。今ここで職務を放棄し、その道を閉ざさせるわけには行きません。
「副署長、制服を着ていて下さい!」
 私は飛び出そうとする副署長を何とかお止めしました。しかし……。

 意外なことに事態は複雑化し、死後丸1日経ったと思われる男性の刺殺体が発見されたのです! 被害者は、多くの負傷者・死亡者を出した大型トラックのリコールの記者発表をしたばかりの大手自動車メーカーの専務・竹内友則(河西健司)氏。現場は福来俊輔が面接を受けた楽器店からほど近い場所でした。しかもその翌朝、副署長は福来俊輔の包丁に付着していた血液が竹内氏と同じAB型だったこと、殺害現場近くに捨てられた竹内氏の財布と名刺入れに福来俊輔の指紋が付いていたことを知ってしまわれたのです!

 やがて島のスクープ記事から、副署長は福来俊輔の母親が先日リコールしたトラックにはねられて死亡していたことを知ることになりました。さらに、福来俊輔がその件を追及しようと、竹内氏に掴みかかったことも判明。福来俊輔も竹内氏の殺害を認めました。ところが、副署長はなぜ殺しの後にコンビニに押し入ったのか、合点がいかないご様子。

「今度こそ…俺の我慢もここまでだっ!」

 辛抱できず…か、副署長! 私がトイレから清々しい気分で戻りましたところ、副署長の姿はすでになく…。こうなった以上、私に副署長の独自捜査を止めることは不可能かと。

 私の目を盗んで外へ飛び出した副署長は、福来俊輔の叔母にあたる福来幸子(前川恵美子)さんから福来信高・俊輔親子の最後の会話を教えて頂いたようです。
「だったら親父、俺と一緒にやるかよ! あいつらを許さねぇで…」
「やろうじゃないか。戦おうじゃないか」
「常識破りのこともやっちゃってくれるのかよっ!」
「やる。誓う」

 それは副署長が先日、福来信高さんからも聞いた会話。警察官の息子であることからくるプレッシャーで心が折れ、「自分の可能性を信じろ」という父親の声を受け入れることのなかった福来俊輔から、かすかな手ごたえを感じたという瞬間の会話と同じものでした。

 すべてを察した副署長は福来家へ急行しました。そこで、今まさに父親を道連れに焼身自殺を図ろうとする福来信高さんと対峙したのです! 副署長の必死の呼びかけで、福来さんは罪を告白しました。彼は事件当日、包丁など料理道具を買った帰り道の竹内氏と遭遇。

ところが、竹内氏は自分たちの過失がもとで亡くなった妻の名前を覚えていないどころか、謝罪の言葉すらなかった。福来さんはどうしても竹内氏を許せず、竹内氏が買ったばかりの包丁で刺してしまったのです。

一方、福来俊輔は面接の帰りに偶然その現場を見てしまい、父親と交わした最後の会話が引き金となったと思ってしまった。
そこで咄嗟に凶器の包丁をリュックに仕舞い、財布と名刺入れを奪い取って投げ捨て、物盗りの犯行に見せかけて父親をかばおうとしたのです。動転した福来俊輔はその足で、友人のゆかりさんに相談しようとコンビニへ向かった。ところがリュックから包丁が落ち、さらにパニックになった彼は立てこもる羽目になったのです…。

 息子との深い溝に長年悩んでいた福来さんは、副署長から息子の真意を聞き、自首を決意しました。こうして事件は無事に解決したのであります。副署長のおかげで…いや、私は今回も副署長は長い、長い“トイレ”に出掛けられていただけ、と解釈しております。



File.1 2008年07月3日 「なぜ、コンビニ立てこもり犯の手にしていた包丁には、店内の誰も刺していないのに血痕が付着していたのか?」 12.4%


File.2 2008年07月10日 「なぜ、人気漫画家は、殺された叔父の遺骨をタクシーの中に置き忘れたのか!?」 11.6%

File.3 2008年07月17日 「なぜ、殺された人気コラムニスト胃袋からは長ネギと九条ネギの2種類が発見されたのか!?」 11.6%

File.4 2008年07月24日 「なぜ、あの近藤警務課長が制服を脱ぎ捨てて河原町署から飛び出していったのか?」 10.9%

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posted by Dhunting | Comment(0) | 2008年夏ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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